夏の定番ドリンクとして親しまれている「麦茶」。実は、麦茶には暑さをしのぐだけでなく、体にうれしい健康効果がたくさん詰まっています。ノンカフェインで安心して飲めるだけでなく、疲労回復や美容サポートまで期待できる万能な飲み物なんです。
この記事では、麦茶がもたらす健康効果と、効果的な飲み方についてわかりやすく解説します。

執筆者:
布袋農園 運営責任者 稲葉 浩太
野草茶・ハーブティー・薬膳茶を研究し、美味しく健康効果の高いお茶を求め日本各地を訪ねている専門家。
腸内細菌の遺伝子検査によるアドザイザーも行っており、「健康は腸から、腸は食物繊維から、食物繊維はお茶から」が口癖。
パーソナル薬膳茶マイスター、パーソナルヘルス協会認定パーソナル腸活コーチ、経営学修士
麦茶の健康効果・効能
麦茶には抗酸化作用や胃の粘膜保護、利尿作用、血流改善、虫歯予防などの多くの健康効果があります。また、ノンカフェインであり、妊娠中の女性や小さな子供でも安心して飲むことができる飲料です。
熱中症・夏バテ予防
麦茶はノンカフェインで体への負担が少なく、年齢を問わず安心して飲めます。含まれるナトリウムやカリウムなどのミネラルが汗で失われた電解質を補給し、体内バランスを整えます。抗酸化作用により酸化ストレスを軽減し、暑さによる疲労感も和らげます。スポーツ時や外出時の定期的な水分補給に最適です。
美容・アンチエイジング効果
麦茶に含まれるポリフェノールの抗酸化作用が、老化の原因となる活性酸素を抑制し、肌の若々しさを保ちます。ビタミンEが肌の乾燥を防ぎ、GABAがストレスを軽減してリラックス効果をもたらします。ノンカフェインのため夜でも安心して飲め、良質な睡眠による美肌効果も期待できます。
胃腸へのやさしさ
ノンカフェインで刺激が少ないため胃に負担をかけず、胃の粘膜を保護します。天然の消炎作用により胃腸の炎症を抑え、含まれる食物繊維が腸内環境を整えて消化機能を向上させます。食事と一緒に摂取することで胃もたれを防ぎ、食欲不振の改善にも効果的です。便秘気味の方や胃腸が弱い方にも安心して取り入れられる飲み物です。
血流改善・血圧サポート
ポリフェノールの抗酸化作用が血管の健康を維持し、血流を改善します。GABAが血管をリラックスさせて血圧を下げ、カリウムが体内のナトリウム排出を促進して血圧バランスを整えます。冷え性の改善や血行不良による不快感の軽減も期待できます。
利尿効果とむくみ解消
豊富なカリウムが体内の余分なナトリウムと水分を排出し、むくみを防ぎます。ノンカフェインであるため、過剰な刺激を避けながらも腎臓の働きをサポートし、老廃物や毒素を効果的に排出します。むくみやすい体質の改善や尿路感染症の予防にも役立ちます。
麦茶に含まれる栄養素とは?
麦茶には健康に役立つさまざまな栄養素が含まれており、それらは私たちの体に多くの良い影響を与えてくれます。

基本的な栄養素
麦茶に微量ながら含まれる基本栄養素は、以下のような働きを持っています。
栄養成分 | 期待できる効能 |
---|---|
カリウム | 水分バランス調整、血圧安定 |
マグネシウム | 骨・歯の形成、筋肉機能維持 |
亜鉛 | 免疫機能の維持、味覚や皮膚の健康サポート |
リン | 骨や歯の形成、筋肉や神経の機能維持 |
食物繊維 | 腸内環境の改善、便通のサポート |
アミノ酸 | 体の基本構成要素。代謝や筋肉の材料として不可欠 |
ビタミンB群(少量) | エネルギー代謝サポート、疲労回復に役立つ |
機能性成分(栄養素以外の成分)
麦茶特有の香ばしい風味や健康効果をもたらすのが、以下のような機能性成分です。
機能性成分 | 期待できる効能 |
---|---|
GABA(ギャバ) | ストレス軽減、リラックス、血圧の安定、睡眠の質向上 |
ポリフェノール | 活性酸素の除去、老化・生活習慣病の予防、抗炎症作用 |
アルキルピラジン | 血流改善、抗酸化作用、動脈硬化・高血圧の予防 |
麦茶の正しい飲み方とタイミング
麦茶を健康的に取り入れるためには、飲むタイミングと方法が重要です。特に水分補給が必要な朝や運動後、そして食事との相性を考えて一日中適切に楽しむことがポイントです。
ノンカフェインのメリット
麦茶の大きな特徴であるノンカフェインには、以下のようなメリットがあります。
1. 良質な睡眠をサポート
夜間に飲んでも睡眠の質に悪影響を与えず、寝る前のリラックスタイムにも最適です。
2. 子供にもやさしい
刺激の強いカフェインが含まれていないため、小さなお子様でも安心。家族みんなで楽しめます。
3. 水分補給に最適
ノンカフェインで利尿作用が穏やかなため、水分をしっかり体に留めてくれます。特に暑い季節の熱中症対策に有効です。
4. 高齢者にも負担が少ない
カフェインの過剰摂取による影響が心配な高齢者にも適した飲み物です。日常的な水分補給にぴったりです。
妊娠中・授乳中にも安心?麦茶の安全性

妊娠中や授乳中は、口にするものに一層気を遣う時期です。麦茶はノンカフェインであることから、妊婦さんや授乳中の方にも安心して飲める飲み物として支持されています。カフェインの摂取は胎児や乳児への影響が懸念されますが、麦茶なら安心して飲むことができます。
麦茶は胃にやさしく、消化を助ける効果も期待できます。妊娠中は胃腸の調子を崩しやすいため、消化の良い麦茶は心強い味方です。また、利尿作用により余分な水分を排出し、むくみを軽減する効果も期待できます。
ただし、妊娠中や授乳中に新しい飲み物を試す前には、医師に相談することをお勧めします。一般的には安全とされていますが、個々の体調によっては注意が必要な場合もあります。
麦茶のデメリットと注意点
麦茶は健康効果が高い一方で、いくつかのデメリットや注意点も存在します。適切な飲み方や管理について理解することが重要です。
飲みすぎるとどうなる?
麦茶はノンカフェインで健康に良い飲み物ですが、過剰摂取により逆効果になることもあります。
脱水症状のリスク
麦茶の利尿作用により体内の水分が排出されすぎると、脱水症状を引き起こす可能性があります。特に汗をかいた後や水分補給が必要な際は、適量を守ることが大切です。
胃腸への負担
大量に飲むことで胃腸に負担がかかる場合があります。麦茶に含まれる食物繊維により、消化器官が敏感な人や胃腸にトラブルを抱えている人は、少量から始めて様子を見ることをおすすめします。
栄養バランスの乱れ
ミネラル成分の過剰摂取により、体内のバランスが乱れる恐れがあります。長期間にわたって大量に飲み続けると、特定の栄養素の過剰摂取につながる可能性があるため、バランスの良い食事と合わせて摂取しましょう。
保存時の衛生管理
麦茶は保存方法を間違えると、衛生的なリスクが発生することがあります。
▶ 基本的な保存方法
麦茶を作った後は必ず冷蔵庫で保存してください。室温で放置すると細菌が繁殖しやすくなり、食中毒の原因になることがあります。開封後のパック麦茶は、なるべく早く消費することが推奨されます。
▶ 容器の衛生管理
保存するボトルやポットは毎回使用後にしっかりと洗浄し、乾かしてから再利用しましょう。特に蓋の部分や口元に汚れが残っていると、細菌の温床となりやすいため注意が必要です。定期的な消毒も効果的です。
▶ 保存期間の目安
作った麦茶は2〜3日以内に飲み切ることが理想です。それ以上の長期保存は避け、常に新鮮な状態で飲むことが健康維持につながります。
アレルギーの可能性
麦茶は多くの人にとって安全に摂取できる飲み物ですが、稀にアレルギー反応を引き起こす場合があります。
麦や大麦に対して過敏症やアレルギーを持っている人は注意が必要です。過去に食品アレルギーの経験がある方は、初めて麦茶を飲む際に少量から試してみることをおすすめします。
▶ アレルギー症状
皮膚のかゆみや湿疹、呼吸がしにくくなる、喉の腫れ、胃腸の不調など、さまざまな症状が現れることがあります。こうした症状が現れた場合には、すぐに麦茶の摂取を中止し、医師の診察を受けることが大切です。特に、これまでに食物アレルギーを経験したことがある方は、初めて麦茶を飲むときは少量から試すようにすると安心です。
安全な麦茶の選び方
無添加・無農薬の麦茶を選ぶことで、アレルギーのリスクを減らすことができます。市販の麦茶には添加物が含まれている場合があり、これがアレルギーの原因になることもあるため、成分表示を必ず確認しましょう。
特に子供や妊娠中の女性が飲む場合は、より慎重に製品を選ぶことが大切です。家族全員が安心して飲める体に優しい麦茶を選ぶことで、健康維持に役立てることができます。
麦茶の作り方・アレンジ方法

麦茶は簡単に作ることができ、さまざまなアレンジが可能です。
・水出しと煮出しの違い
麦茶には水出しと煮出しの二つの作り方があり、そそれぞれの違いを知っておくと気分や目的に合わせた飲み方が楽しめます。
・水出し麦茶
冷水に麦茶パックを入れて数時間置くだけで完成する手軽な方法です。暑い夏には特におすすめで、まろやかな甘みが引き出され苦味が少ないのが特徴です。熱を使わないため、ビタミンやミネラルなどの栄養素が劣化しにくいメリットもあります。スポーツ後の水分補給や熱中症対策に最適です。
・煮出し麦茶
水と麦茶パックを鍋に入れ、沸騰させてから数分間煮る方法です。麦の香ばしさと深い味わいが引き出され、より濃厚な風味が楽しめます。寒い季節には温かいお茶として飲むのも良いでしょう。ただし、高温により栄養素が一部失われる可能性があります。リラックスタイムや食事のお供におすすめです。
麦茶だけじゃない、日常に取り入れたい健康茶たち
日常的に取り入れたい他の健康茶もたくさんあります。これらのお茶は、それぞれが異なる健康効果を持っています。
①【ハトムギ茶】内側からクリアな美しさを
ハトムギ茶は、昔から「美肌の味方」として親しまれてきた健康茶です。体内の余分な水分を排出し、肌のターンオーバーを促す作用があるといわれ、むくみや肌荒れが気になる方におすすめです。香ばしくて飲みやすく、ノンカフェインなので毎日の水分補給にもぴったり。冷え性や乾燥肌が気になる季節にも活躍します。

②【桑の葉粉末】糖質が気になるあなたに
桑の葉は食後の血糖値上昇をゆるやかにする働きが注目されています。糖質制限をしている方や、ダイエット中の方にぴったりのお茶です。粉末タイプは水やお湯に溶かすだけで手軽に取り入れられるので、忙しい日々にも続けやすいのが魅力。ほのかな甘みがあるのも特徴です。

③【黒豆茶】ホッとひと息、美味しく女性バランスサポート
黒豆茶は、香ばしい香りと自然な甘みが特徴の健康茶で、ポリフェノールやイソフラボンが豊富に含まれています。これらの成分は、抗酸化作用によりエイジングケアやホルモンバランスのサポートに役立つとされています。カフェインレスで就寝前にも安心して飲めるので、リラックスタイムやほっと一息つきたい時にぴったりです。
④【スギナ茶】自然派ミネラルで内側からすっきり
スギナは“ミネラルの宝庫”と呼ばれるほど、カルシウムやカリウム、ケイ素などが豊富に含まれています。これらの成分は代謝のサポートや利尿作用によるデトックス効果が期待されており、体の内側からすっきりと整えたい方におすすめです。クセのないスッキリとした味わいで、食事との相性も良く、続けやすいお茶です。

⑤【ルイボスティー】リラックスタイムに寄り添う
ルイボスティーは、南アフリカ原産のハーブティーで、活性酸素を抑える抗酸化作用が高いことで知られています。免疫力や腸内環境のサポート、ストレスの緩和、さらに美容やアンチエイジングにも人気。ノンカフェインなので妊婦さんやお子さまにも安心です。クセが少なく、まろやかな味で、温冷どちらでも楽しめます。
まとめ:麦茶の効能を毎日の健康習慣に取り入れよう
麦茶は、熱中症対策や血流改善、利尿作用など、日常の健康維持に役立つ効能が豊富なノンカフェイン飲料です。子どもや妊娠中の方でも安心して飲めるのが魅力。抗酸化作用による美容効果や、GABAなどの栄養素によるリラックス・体調サポートも期待できます。無農薬の麦茶を選べば、さらに安心です。
毎日の水分補給に麦茶を取り入れて、手軽に健康習慣をスタートしてみませんか?家族みんなで、美味しく健康的な毎日を送りましょう。
健康野草茶の布袋農園
