はと麦茶は妊婦が安心して飲めるノンカフェイン飲料として注目されていますが、妊娠中の方は安全性や胎児への影響について不安や疑問を抱くことが多いのではないでしょうか。妊娠中は食事制限や体重管理、むくみ解消などにも気をつける必要があります。この記事では、はと麦茶の成分や妊婦への影響、妊娠中におすすめの飲み物、流産リスクや子宮収縮など注意点について詳しく解説します。正しい知識を得ることで、安心して健康的な妊娠生活を送れるメリットがあります。

執筆者:
布袋農園 運営責任者 稲葉 浩太
野草茶・ハーブティー・薬膳茶を研究し、美味しく健康効果の高いお茶を求め日本各地を訪ねている専門家。
腸内細菌の遺伝子検査によるアドザイザーも行っており、「健康は腸から、腸は食物繊維から、食物繊維はお茶から」が口癖。
パーソナル薬膳茶マイスター、パーソナルヘルス協会認定パーソナル腸活コーチ、経営学修士
妊娠中にはと麦茶を飲んでも大丈夫?

妊娠中にはと麦茶はノンカフェインで、基本的には安心して飲むことができます。市販のはと麦茶を常識的な量で飲んで、流産や早産のリスクが高まるという科学的な証拠は見つかっていません。ノンカフェインで水分補給に適した飲み物の一つですが、体調や既往歴によっては個別の配慮が必要です。違和感があったり不安を感じた場合は、かかりつけの産科で相談すると安心です。
はと麦茶は穀物由来のため、コーヒーや紅茶などの茶葉から作られる飲み物とは異なり、カフェインを全く含まないという特徴があります。妊娠中はカフェインの摂取制限が推奨されるため、はと麦茶は妊婦にとって貴重な水分補給源となります。また、はと麦に含まれる栄養成分は、妊娠中の健康維持にも役立つとされています。
ただし、個人の体質や妊娠の状況によっては注意が必要な場合もあります。体調に不安を感じる方や、医師から特別な指導を受けている方は、飲用前に必ず医療専門家に相談することをおすすめします。
ハトムギ茶の成分と妊婦への影響
はと麦茶は、はと麦という穀物から作られるノンカフェインの飲み物です。主な成分は、タンパク質やビタミンB群、ミネラル、食物繊維などで、利尿作用や便秘改善に効果が期待されています。これらの成分は、一般的に妊娠中の健康維持にも役立つと考えられ、むくみ解消やむくみ予防にも注目されています。さらに、肌の健康維持に欠かせないターンオーバーをサポートするとされ、美容面でも注目されています。
はと麦に含まれるアミノ酸は、体内でのタンパク質合成をサポートし、胎児の成長に必要な栄養素の一つです。また、ビタミンB群は代謝を促進し、妊娠中の疲労感の軽減にも寄与します。食物繊維は腸内環境を整え、妊娠中によくある便秘の予防や改善に役立ちます。
しかし、はと麦は古くから利尿作用があるとされますが、過剰に摂取すると水分バランスが乱れる可能性があります。胎児への直接的な悪影響はほとんど報告されていませんが、妊娠中は体調や体重管理、食事制限に気をつけることも大切です。医師監修のもと、適量を守れば妊婦にも安心して飲むことができるでしょう。
妊婦さんに注意が必要とされる理由(子宮収縮など)
はと麦茶には、利尿作用やむくみ解消効果があるとされています。ただし妊娠中の摂取については、子宮収縮を促すのではないかという懸念が一部で指摘されています。実際、漢方医学で用いられる「ヨクイニン(はと麦の種子を乾燥させた生薬)」は、安胎には使われず、妊婦への使用を控えるよう注意が示されることがあります。特に大量に摂取すると子宮を刺激する可能性があるため、妊娠初期や流産リスクが高い方は避けたほうが安全だと考えられています。
一方で、現代の医学研究においては、市販のはと麦茶を日常的に適量飲むことで流産や早産につながるという明確な証拠はほとんどありません。つまり、医薬品として処方されるヨクイニンや濃縮サプリメントと、一般的な「はと麦茶(飲料)」は区別して考える必要があります。
はと麦茶はノンカフェインで妊娠中にも取り入れやすい飲み物のひとつですが、体質や妊娠経過によって注意が必要です。体を冷やす作用もあるため、虚弱体質の方や冷えやすい方は控えめにしたほうが安心です。妊娠中に飲む場合は「常識的な量を守る」「違和感があれば中止する」ことを心がけ、必要に応じて助産師や医師に相談するとより安全に取り入れられます。
漢方「ヨクイニン」と妊娠中の関係

漢方で使われるヨクイニンは、はと麦の種子を乾燥させたものです。肌のトラブルやむくみ予防、便秘改善などに使われる一方、妊娠中にヨクイニンを服用する場合は注意が必要とされています。漢方医学では、ヨクイニンは利尿作用だけでなく子宮収縮を促す可能性があると考えられており、安胎を目的とした薬剤としては推奨されません。
ヨクイニンは医薬品として処方される場合と、健康食品として市販される場合があります。医薬品として処方される場合は、妊娠中の使用について特に慎重な判断が求められます。一方、一般的なはと麦茶に含まれるヨクイニン成分の濃度は、医薬品と比較して非常に低いため、同程度のリスクがあるとは考えにくいとされています。
特に妊娠初期や流産リスクのある方は、専門医や助産師の監修のもと慎重に検討するべきです。妊婦は自己判断せず、ヨクイニンを含む漢方薬や健康食品の利用、はと麦茶の飲用については必ず医療専門家に相談しましょう。個人の健康状態や妊娠の経過によって適切な対応が変わるため、専門家のアドバイスを受けることが最も安全な選択です。
妊娠中に飲めるおすすめの飲み物
妊娠中はノンカフェインのハーブティーや麦茶、ルイボスティーなどがおすすめです。カフェインを避けながらも、おいしく水分補給ができる選択肢は数多くあります。はと麦茶も、用量を守れば安心して取り入れやすい一杯で、香ばしい味わいとすっきり感が魅力です。
当店の「布袋農園・苦味少なめ はと麦茶」は、国産はと麦100%を使用し、無添加・無漂白ティーバッグで安心して飲んでいただけるお茶です。殻ごと焙煎して粗く砕くことで苦味を抑え、香ばしくすっきりした味わいに仕上げています。
ただし、体を冷やす作用があるため、体質や妊娠の経過によっては控えめにする必要があります。飲む際は、かかりつけの医師や助産師に相談していただくとより安心です。

ノンカフェインの飲み物一覧
妊娠中に安心して飲めるノンカフェイン飲料には、はと麦茶だけでなく麦茶やルイボスティー、黒豆茶、そば茶、たんぽぽコーヒー、コーン茶、ローズヒップティーなどが挙げられます。これらの飲み物はカフェイン飲料とは異なり、胎児への影響や体重管理の心配が少ないのでおすすめです。
麦茶は最もポピュラーなノンカフェイン飲料の一つで、ミネラルが豊富に含まれており、夏場の水分補給に特に適しています。ルイボスティーは南アフリカ原産のハーブティーで、抗酸化作用が高く、リラックス効果も期待できます。黒豆茶は大豆イソフラボンやアントシアニンが含まれ、美容面での効果も注目されています。
そば茶はルチンという成分が血管を強化する働きがあるとされ、たんぽぽコーヒーはコーヒーの代替品として人気があります。コーン茶は韓国でよく飲まれる飲み物で、甘みがあり飲みやすいのが特徴です。妊娠中や授乳中の女性がリラックスしたい時、冷え対策や便秘改善、むくみ予防にも役立ちます。ノンカフェインの飲み物はバリエーションが豊富なので、食事制限中でも好みや体調に合わせて取り入れることができます。購入時は原材料や成分表示を確認し、医師監修のもと選ぶとより安心です。
むくみ解消に役立つ飲み物

妊娠中はホルモンバランスや食事制限の影響でむくみが起こりやすくなりますが、むくみ予防や解消には利尿作用のある飲み物が効果的です。はと麦茶やルイボスティー、黒豆茶などは適度な利尿作用があり、水分代謝をサポートします。特にはと麦茶は、体内の余分な水分を排出し、便秘改善や体重管理にも役立つと言われています。
むくみの原因は、妊娠による血液量の増加や、子宮が大きくなることで血管やリンパ管が圧迫されることにあります。また、妊娠中のホルモン変化により水分が体内に蓄積しやすくなることも影響しています。このような状況で、適度な利尿作用のある飲み物を摂取することで、体内の水分バランスを整えることができます。
ただし、過剰な利尿作用は体調を崩す要因になるため、医師や助産師の監修のもと適量を守ることが重要です。一日の水分摂取量は1.5~2リットル程度が目安とされていますが、個人差があるため体調に合わせて調整しましょう。妊娠中の冷え対策には温かいハーブティーもおすすめです。自分の体調に合わせて選ぶことで、快適な妊娠生活をサポートできます。
リラックス効果のあるお茶
妊娠中は心身ともに不安やストレスを感じやすい時期です。リラックス効果が期待できるノンカフェインのお茶として、ルイボスティー、カモミールティー、ラベンダーティー、はと麦茶などがあります。ルイボスティーは抗酸化作用が高く、妊婦や授乳中のママにも人気です。カモミールティーは気持ちを落ち着かせ、安眠にも役立ちます。
ルイボスティーに含まれる抗酸化物質は、体内の活性酸素を除去し、妊娠中の体調維持に貢献します。また、自然な甘みがあるため砂糖を加えなくても美味しく飲むことができ、体重管理中の妊婦にも適しています。カモミールティーはリンゴのような甘い香りが特徴で、就寝前に飲むことで質の良い睡眠をサポートします。
ラベンダーティーは香りによるアロマテラピー効果も期待でき、妊娠中のイライラや不安感を和らげる効果があります。はと麦茶は体の冷え対策やむくみ解消に加え、日常的な飲み物としてもおすすめです。妊娠中の飲み物選びでは、体調や好みに合わせ複数のハーブティーをローテーションするのも良いでしょう。リラックスできる一杯で、健康的な妊娠生活をサポートしましょう。
妊娠中の食事制限と飲み物の選び方
妊娠中は体重管理や胎児への影響を考慮し、食事制限や飲み物の選択に注意が必要です。妊娠期間中の栄養摂取は母体の健康維持と胎児の正常な発育に直結するため、慎重な判断が求められます。
避けるべき飲み物リスト
妊娠中は胎児への影響や自身の健康のため、カフェイン飲料(コーヒー、紅茶、緑茶など)をはじめ、アルコール類、糖分の多い清涼飲料水、エナジードリンクなどは控える必要があります。カフェインは子宮収縮を促す可能性があり、流産リスクや体重管理の面でも注意が必要です。
カフェインを多く含む飲み物として、コーヒー(100mlあたり約60mg)、紅茶(100mlあたり約30mg)、緑茶(100mlあたり約20mg)、ウーロン茶(100mlあたり約20mg)などがあります。妊娠中のカフェイン摂取量は1日200mg以下に抑えることが推奨されているため、これらの飲み物は量を制限するか避けた方が安全です。
アルコール類は胎児性アルコール症候群のリスクがあるため、妊娠中は完全に避けるべきです。糖分の多い清涼飲料水は妊娠糖尿病のリスクを高める可能性があり、体重管理の観点からも控えめにする必要があります。加えて、一部のハーブティー(セージティーには成分チュージョンが含まれ、妊娠中は摂取を控えるよう推奨されています)は子宮への影響があるため摂取を避けたほうが良いとされています。
布袋農園で扱うお茶の中では、スギナ茶は極微量のニコチンが含まれるため大量に飲むことは控えたほうがいいかもしれません。
妊娠中は医師監修の情報、助産師のアドバイスを参考にしながら飲み物を選びましょう。不安な場合は専門家に相談することが、安心して妊娠生活を送るポイントです。
胎児への影響がない飲み物の選び方

胎児への影響が気になる方は、ノンカフェインの飲み物を選ぶことが重要です。原材料に化学添加物が含まれていないか、はと麦やルイボスなど安全性が確立されているものを選ぶと安心です。助産師監修や医師監修の飲料は信頼性が高く、授乳中にも利用できる点もメリットです。
飲み物選びの基準として、まず成分表示を確認し、人工甘味料や保存料、着色料などの添加物の有無をチェックしましょう。天然由来の原料で作られた飲み物は、胎児への悪影響のリスクが低いとされています。また、有機栽培や無農薬で育てられた原料を使用した商品を選ぶことで、より安全性を高めることができます。
むくみ予防や冷え対策、便秘改善など妊娠中の悩みに合わせて選ぶと、健康的な妊娠生活をサポートできます。例えば、むくみが気になる場合は利尿作用のあるはと麦茶や黒豆茶、便秘改善には食物繊維が豊富な飲み物を選ぶとよいでしょう。原材料表示や産地情報もしっかり確認し、信頼できるメーカーの商品を選択することが大切です。疑問点があれば専門家に相談し、安全な飲み物選びで胎児の成長を守りましょう。
専門家の意見を聞こう

妊娠中の飲み物の選択には助産師や医師の意見を参考にしましょう。
専門家からの適切なアドバイスを受けることで、安心して妊娠期間を過ごすことができます。
助産師のアドバイス
助産師からは、妊娠中の飲み物はノンカフェインを中心に選択するようすすめられています。はと麦茶は一般的に安全ですが、体調や妊娠週数によっては控えめにした方が良い場合もあります。むくみ解消や便秘改善には麦茶やルイボスティーなどもおすすめです。
助産師は妊娠期間を通じて妊婦の身近な相談相手であり、個人の体調や妊娠の経過に応じたきめ細かなアドバイスを提供してくれます。妊娠初期のつわりがひどい時期には、飲みやすい温度や味の飲み物を提案したり、妊娠後期のむくみには適切な水分摂取量を指導したりします。
気になる飲み物があれば、妊娠中の体調や胎児への影響を考慮し、助産師に相談することで安心して選択できます。妊婦専用の飲み物も市販されているため、選択肢が広がっています。また、助産師は妊娠中だけでなく産後の授乳期間中の飲み物についてもアドバイスを行い、継続的なサポートを提供しています。専門家の意見を取り入れてアドバイスを参考にすれば、健康的な妊娠生活を送ることができます。
医師の監修情報
医師監修による情報では、「妊婦が常識の範囲内でハトムギ茶を飲用もしくはハトムギ調理品を食することは、問題ない」とされています。しかし、過剰摂取や体調不良時には控えた方が良い場合があるとも指摘されています。流産リスクがある方や一部の症状がある場合は、ノンカフェイン飲料全般についても医師に相談することが推奨されます。
医師による医学的見地からの情報は、妊娠中の飲み物選びにおいて最も信頼できる根拠となります。産婦人科医は妊娠の経過や個人の健康状態を総合的に判断し、最適なアドバイスを提供します。特に高リスク妊娠や既往歴のある方は、より慎重な対応が必要となる場合があります。
特に子宮収縮やむくみ、冷え対策などの悩みがある場合は個別に医師の指導を受けることが重要です。胎児への影響や食事制限、体重管理においても専門家の監修情報をもとに判断すると安心です。また、妊娠中に新たな症状が現れた場合や、これまで問題なく飲んでいた飲み物に対して不安を感じるようになった場合も、遠慮なく医師に相談しましょう。飲み物の選択に迷ったら早めに医師や助産師に相談することで、母体と胎児の安全を最優先に考えた適切な判断ができます。
まとめ:妊娠中に安心して飲める はと麦茶とその他の飲み物
はと麦茶は妊娠中にも安心して飲める飲み物の一つですが、利尿作用が強いことや、漢方医学における注意点もあります。医学研究では常識的な摂取量において明確な危険性は報告されていませんが、個人の体調や妊娠の状況によっては慎重な判断が必要です。
妊娠期間を健康的に過ごすためには、適切な飲み物選びがとても重要です。ノンカフェインの飲み物を中心に、麦茶、ルイボスティー、黒豆茶など多様な選択肢から、自分の体調や好みに合ったものを選ぶことができます。むくみ解消や便秘改善、リラックス効果など、それぞれの飲み物が持つ特性を理解して活用しましょう。
助産師監修や医師監修の情報を参考にしながら、むくみ解消や胎児への影響のない飲料でリラックスしましょう。不安や疑問がある場合は、遠慮なく医療専門家に相談することが大切です。妊婦の方が健やかな妊娠期間を楽しめるよう、毎日の小さな選択に自信を持ってください。正しい知識と専門家のサポートがあれば、安心して健康的な妊娠生活を送ることができます。
健康野草茶の布袋農園
