更年期のイライラや不安に悩んでいる方は多いのではないでしょうか。ホルモンバランスの変化による気分の落ち込みやストレスで、毎日の生活に不安を感じることもあります。この記事では、更年期のイライラを自然な方法で和らげるおすすめの飲み物や、その理由について詳しく解説します。ノンカフェインでリラックス効果が期待できる飲み物や、ホルモンバランス・自律神経のケアに役立つ情報を手に入れ、自分に合った方法で心も体も穏やかになるヒントを見つけていきましょう。

執筆者:
布袋農園 運営責任者 稲葉 浩太
野草茶・ハーブティー・薬膳茶を研究し、美味しく健康効果の高いお茶を求め日本各地を訪ねている専門家。
腸内細菌の遺伝子検査によるアドザイザーも行っており、「健康は腸から、腸は食物繊維から、食物繊維はお茶から」が口癖。
パーソナル薬膳茶マイスター、パーソナルヘルス協会認定パーソナル腸活コーチ、経営学修士
更年期とは
更年期とは、一般的に40代後半から50代前半に訪れる女性の人生の大きな節目です。この時期、エストロゲンなどの女性ホルモンの分泌が急激に低下し、体と心にさまざまな変化が現れます。
女性ホルモンのバランスが崩れると、自律神経が乱れやすくなり、イライラや不安、のぼせ、ほてり、冷え、睡眠障害などの症状が起こりやすくなります。更年期は一時的な生理的変化であり、多くの方が戸惑いや不調を感じますが、こうした変化は身体の自然な流れによるものです。
体質やライフスタイルによって症状の現れ方には個人差がありますが、適切なセルフケアを行うことで負担を軽くすることが可能です。特に日常的に取り入れやすい飲み物の選び方は、毎日のケアとして効果的なアプローチとなります。
更年期のイライラの原因

更年期のイライラは、主にホルモンバランスの変化や自律神経の乱れが深く関係しています。原因を理解することで、適切な対処法が見えてきます。
エストロゲン低下と自律神経の乱れ
更年期に入ると、体内のエストロゲン分泌量が大きく減少します。エストロゲンは女性の心と体の安定や自律神経の調整に深く関わる重要なホルモンです。このエストロゲンが低下すると、リラックスしづらくなったり、気分の落ち込みやイライラ、不安などの精神的な揺らぎが増えやすくなります。
自律神経も乱れやすくなり、のぼせ・ほてり・冷え・睡眠障害といった症状を引き起こすことが多くなります。これらの不快な症状は、生活環境やストレスとも相互に影響し合い、ますます心の揺らぎが強くなる要因となっています。体調管理や生活習慣の見直しに加え、飲み物や食事など日常の工夫が大きな助けになります。
イライラ・不安・落ち込みが起こりやすくなる仕組み
女性ホルモンの急激な変化は脳の働きへ影響し、ストレス耐性が低下します。特にエストロゲンの減少は、セロトニンなど「心の安定」に関わる脳内物質の働きにも影響するため、イライラや気分の落ち込み、不安感が起こりやすくなるのです。
自律神経が乱れやすくなると、睡眠障害や体温調節の不安定など、全身の不調も重なりがちです。このような生理的な仕組みが、日常のストレスや環境要因と絡み合い、感情のコントロールが難しくなる大きな原因となっています。飲み物や栄養素の選び方によって、こうした症状の緩和をサポートできます。
更年期とPMS・うつとの違い
更年期とPMS(生理前症候群)、うつ症状は、いずれも気分の波があるため混同されがちです。しかし、それぞれ発症のメカニズムが異なります。
更年期は主にエストロゲンなどの女性ホルモンの分泌低下が原因で、40代後半から50代前半に集中して起こります。一方、PMSは月経周期の黄体期に一時的に現れる症状であり、うつは心理的・社会的要因の影響が強く、持続的な気分障害として現れます。
更年期症状の大きな特徴は、ほてり・のぼせ・冷え・不眠など身体面の変化が絡むことです。対策やセルフケアには重なる部分もありますが、メカニズムや対応のポイントに違いがあるため、自分の状態に合わせた飲み物や生活の工夫が重要になります。
更年期のイライラに効く飲み物の条件

更年期のイライラを和らげる飲み物を選ぶ際には、いくつかのポイントがあります。ノンカフェインで自律神経を整える成分を含む飲み物が特におすすめです。
ノンカフェインが基本になる理由
心の揺らぎや不安をやわらげるには、カフェインを含まない飲み物を基本にすることが推奨されます。その理由は、カフェインが交感神経を刺激し、心拍数や血圧を上げる働きがあるためです。
自律神経が崩れやすい時期には、カフェインの摂取が心の揺らぎや不眠、のぼせ、ほてりなどの症状を悪化させる一因となることがあります。カフェインを摂ると睡眠の質が下がり、日中の気分やストレス耐性にも悪影響が出やすくなります。
ハーブティーや薬膳茶、黒豆茶、豆乳など、カフェインを含まない飲み物は心を落ち着かせ、体のリズムを整える助けとなります。夕方以降は特に、質の良い睡眠のためにもカフェインレスの選択が重要です。
自律神経を整える成分とは
心の揺らぎには、自律神経を整える成分が含まれる飲み物が効果的です。代表的なものとして、ハーブティーに含まれるカモミールやラベンダー、ルイボスティーのフラボノイドなどがあります。
これらの成分は、交感神経と副交感神経の調和を取りやすくし、ストレス軽減や気持ちを落ち着かせる作用が見込めます。薬膳茶には陳皮や紅花など血液循環を良くする成分が含まれており、黒豆茶には女性の体のリズムを支えるイソフラボンやミネラルが豊富です。
ビタミンB群、マグネシウム、鉄分など体と心の調整を助ける栄養素も、自律神経に良い影響を与えます。これらの成分を意識して飲み物や食事を選ぶと、この時期特有の不調を和らげる助けとなります。
更年期のイライラ対策におすすめの飲み物
ここからは、更年期のイライラ対策に特におすすめの飲み物を具体的にご紹介します。それぞれの特徴や効果を理解して、自分に合ったものを選んでみてください。
ルイボスティー|抗酸化×リラックス
南アフリカ原産のルイボスには抗酸化作用の高いフラボノイドが豊富に含まれ、細胞の老化やストレスによるダメージから守る働きがあります。カフェインを含まないため、夜遅くに飲んでも睡眠を妨げません。
ミネラル分も多く、体の巡りや自律神経の安定を後押しします。日々のほてりが気になる方は、ホットでもアイスでも楽しめるルイボスティーを試してみてはいかがでしょうか。まろやかで飲みやすい味わいに加え、ほのかな甘みも感じられるため、毎日続けやすいのが魅力です。
カモミールティー|気持ちを落ち着かせたいときに
カモミールに含まれるアピゲニンという成分は、脳の神経伝達を穏やかに整え、緊張をほぐす作用があります。日中のストレスや不安から解放され、気持ちが軽くなるのを感じられます。
就寝前に飲むことで睡眠の質向上も見込めます。ほのかに甘い香りと優しい味わいは、疲れた心をそっと包み込んでくれます。温かいカモミールティーをゆっくりと味わうひとときは、一日の緊張から解放される貴重な時間になります。リンゴのような甘い香りが、五感からもリラックスへと導いてくれるでしょう。
黒豆茶|ホルモンバランスを穏やかにサポート
揺らぎがちな女性の体を穏やかに整える飲み物です。黒豆に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きを持っているため、心身の不調を和らげます。
抗酸化成分やミネラル分も豊富で、冷えとほてりの両方に悩む方に適しています。カフェインを含まず、ほのかな香ばしさと優しい飲み心地が特徴です。薬膳茶や和漢茶としても親しまれており、食事と一緒でもおやつタイムでも、生活に自然に溶け込みます。黒豆の自然な甘みと香ばしさは、和食との相性も抜群です。
よもぎ茶|冷え・巡りを整えて心もゆるむ
昔から薬膳茶として親しまれてきたよもぎ茶。よもぎに含まれるシネオールなどの成分は、血液の巡りを促進し冷えを和らげます。体温調節が不安定になりやすい時期にも適しており、のぼせ・ほてりへの対処にも向いています。
よもぎのふんわりした苦味と優しい香りは、心の緊張をほどいてくれます。就寝前の一杯として、冷え性や憂鬱な気分が気になる方におすすめです。温かいよもぎ茶で体の芯から温まると、心も体も穏やかな時間を過ごせます。春の野草を思わせる爽やかな香りは、自然のやさしさを感じさせてくれます。

杜仲茶|自律神経・睡眠リズムをサポート
古くから漢方薬の材料としても利用されている健康茶です。杜仲の葉に含まれるゲニポシド酸やイリドイド類は、血圧の調整や心身の安定に働きかけるとされています。
心の揺らぎや睡眠リズムの乱れ、ほてりや冷えなど複合的な症状を抱える方に向いています。ほのかな苦味とすっきりした後味のため、食事のお供に合います。習慣的に飲み続けることで、体調の変化を実感される方も多い飲み物です。クセが少なく、お茶に慣れ親しんだ日本人の味覚にもなじみやすいでしょう。

甘茶|自然な甘みで気分転換に
古くから日本で薬膳茶として親しまれてきた甘茶。天然の甘み成分を含み、砂糖を使わずに優しい甘さを楽しめるのが最大の特徴です。憂鬱な気持ちになりやすい時、自然の甘みで気持ちをリフレッシュできます。
活性酸素を抑えるポリフェノール、体の調子を整えるミネラルなども含まれており、体内環境のケアにも有用です。甘いものが欲しくなった時に、砂糖入りの飲み物の代わりに甘茶を選べば、健康的に気分転換ができます。砂糖の数百倍の甘さを持つフィロズルチンという成分が、カロリーを気にせず甘みを楽しませてくれます。

更年期のイライラ対策に役立つ栄養素
飲み物を選ぶ際には、含まれる栄養素にも注目しましょう。ビタミンやミネラルなど、心身のバランスを整える栄養素がイライラ対策に効果的です。
ビタミン:心の健康をサポート
心の揺らぎや気分の変動を和らげるには、ビタミン類の積極的な摂取が欠かせません。特にビタミンB群は、脳神経の安定やエネルギー代謝に深く関わっており、ストレスの軽減にも有効です。
ビタミンCは抗酸化作用で細胞のダメージを防ぎ、回復力を高めます。ビタミンEは女性の体のリズムを整える作用が認められており、この時期特有の悩みを和らげます。
飲み物を選ぶ際もビタミン豊富な素材を意識したり、野菜や果物を使ったスムージーなどを日常に取り入れるとよいでしょう。ハーブティーにも微量のビタミンが含まれているものがあり、日々の積み重ねが大切です。
ミネラル:体調を整える
体調管理やストレス対策で欠かせない重要な栄養素がミネラルです。マグネシウムは神経伝達や筋肉の緊張緩和に働きかけ、心の揺らぎや睡眠トラブルの軽減に効果があります。
カルシウムや鉄分は疲労感や不安感を和らげ、体の冷え対策にも力を発揮します。亜鉛は女性の体のリズム調整に関わっていて、免疫力アップや気分の安定にも寄与します。
飲み物なら、黒豆茶や薬膳茶、豆乳などミネラルが豊富なものを選ぶとよいでしょう。日々の食生活にしっかりミネラルを取り入れることが、健やかな毎日を守るポイントです。バランスの取れた食事と併せて、飲み物からも補給していくことをおすすめします。
避けたい飲み物
更年期のイライラを悪化させないためには、カフェイン・砂糖・アルコール入りの飲み物は控えることが大切です。それぞれの理由を理解しておきましょう。

カフェインが自律神経を乱しやすい理由
カフェインは、交感神経を過度に刺激し体を「緊張状態」に導きます。自律神経が乱れやすい時期に心の揺らぎや不安、ほてり、不眠などの症状を持つ方がカフェイン入りの飲み物を摂ると、これらの症状が強くなりやすいのです。
夜間に摂取すると睡眠の質が低下し、翌日の気分の安定にも悪影響が及びます。ストレスへの抵抗力が弱まっている体には、カフェインの刺激を控え、ハーブティーなど心を落ち着かせる習慣を取り入れるのが推奨されます。
コーヒーや紅茶、緑茶などカフェインを含む飲み物を楽しみたい場合は、午前中に少量にとどめ、午後以降はカフェインレスの飲み物に切り替えることをおすすめします。デカフェのコーヒーや紅茶なら、香りや味わいを楽しみながらカフェイン摂取を抑えられます。
砂糖・甘味料のとりすぎが感情に与える影響

砂糖や人工甘味料を多く摂りすぎると、血糖値が急激に上がり、その後急激に下降します。この血糖値の乱高下は中枢神経や自律神経を乱しやすく、イライラや不安、気分の落ち込みなどが出やすくなります。
心身の揺らぎが強い場合は、甘い飲み物や加糖飲料を控え、天然の甘さを活かした飲み物(甘茶や果物入りの薬膳茶など)に切り替えるのが理想的です。
ビタミン・ミネラルなどの栄養素が豊富な飲み物は、感情の安定や気分転換にも効果が認められています。清涼飲料水やジュースなどではなく、自然由来の甘みを楽しむ習慣を心がけるとよいでしょう。果物の自然な甘さや、スパイスの風味を活かした飲み物なら、満足感も得られます。
アルコールとイライラの関係

アルコールは、一時的に気持ちを緩める働きがあるように思われますが、実際には摂取後に自律神経の乱れや女性ホルモンのバランス崩れを助長しやすいのです。
この時期の体や心はアルコールによる影響を受けやすく、気分の落ち込みや心の揺らぎ、不安の増加、睡眠障害の悪化につながることもあります。アルコールの利尿作用で体が冷えやすくなり、ほてりや冷えなど身体的な症状が強く現れるケースもあるので注意が必要です。
リラックス目的での飲酒はほどほどにし、薬膳茶やハーブティーなどに切り替えるのがおすすめです。休肝日を設けることも、体調管理には大切です。どうしても飲みたい場合は、ノンアルコールビールやノンアルコールワインなどの代替品を活用するのも一つの方法です。
更年期症状と飲み物に関するよくある質問
更年期の飲み物やイライラ対策について、よくある質問にお答えします。
▶ 更年期のイライラに効く飲み物はありますか?
心の揺らぎや気分の不安定さに効果が見込める飲み物には、ルイボスティー、カモミールティー、黒豆茶、よもぎ茶、杜仲茶、甘茶などがあります。これらはすべてカフェインを含まず、女性の体のリズムや心の安定を穏やかに後押しする成分が含まれています。
ハーブティーや薬膳茶には抗酸化作用、ビタミンやミネラルも豊富なので、心の不調の予防に有用です。毎日の生活に取り入れることで、ゆったりした日々を手に入れる手助けとなります。自分の好みや体調に合わせて、いくつかの種類を試してみてください。
飲むタイミングも重要で、朝は目覚めを助けるハーブティー、夜はリラックス効果の高いカモミールティーなど、時間帯に合わせて選ぶとより効果的です。
▶ 大豆イソフラボンの摂取は問題ないですか?
大豆イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きを持ち、この時期の症状の緩和に役立つとされています。黒豆茶や豆乳などから摂る分には、通常の食事量程度であれば問題ありません。
ただし、サプリメントなどから大量に摂取する場合は、過剰摂取による副作用や健康リスクの報告もあるため注意が必要です。医師や専門家の指導のもとで適量を守ることが大切です。
日常の飲み物や食事でバランス良く楽しむことを意識するとよいでしょう。自然な形で摂取することが、体への負担も少なく安心です。一般的には、1日あたり40〜50mg程度のイソフラボン摂取が目安とされていますが、個人差もあるため、体調を観察しながら調整することをおすすめします。
まとめ:更年期のイライラを飲み物で軽減する方法

心の揺らぎは、主に女性ホルモンの変動や自律神経の不安定によって起こりやすくなります。カフェインを含まないハーブティーや薬膳茶、黒豆茶などは、心を落ち着かせ、睡眠の質の向上に役立つ飲み物としておすすめです。
飲み物を選ぶ際には、ビタミンやミネラルなどの栄養素を意識した選び方も大切です。カフェイン、砂糖、アルコールなど症状を悪化させる可能性のあるものは控え、自分の体調や好みに合った飲み物を見つけてください。
気軽に続けられる飲み物習慣で、毎日を前向きに過ごしていけます。温かいお茶をゆっくりと味わう時間そのものが、心を落ち着かせるひとときとなります。あなたに合ったセルフケアで、不安や心の揺らぎもきっと穏やかになります。一歩ずつ、自分らしく過ごしていきましょう。
飲み物だけでなく、規則正しい生活リズム、適度な運動、バランスの取れた食事なども併せて取り入れることで、より効果的に更年期の症状と向き合えます。無理をせず、自分のペースで心地よい習慣を築いていくことが何より大切です。
健康野草茶の布袋農園


